医療と金①
医療はサービス業です。
慈善事業やボランティアでなないので、『治療』というサービスを受けたら、その対価を支払わなければいけません。
しかし、そのサービスを受けて、何度も何度もその対価となる『治療費』を請求しても支払わない方は結構多いのです。
支払い能力がないけど真面目な正直な方は最初から病院と交渉して、なんとか分割にしてでも払ってくれる方が多いのですが、払わない方は支払い能力があるくせに払わない方が多いのです。
払わないことを悪いことだとは思っていなくて、
『全くしつこいなぁ。払えないものは払えないんだよ。全く金、金とうるさいなぁ。福祉ってもっと優しくすべきもんだろ。』
とかキレるは、開き直るは。
人によっては治療費取り立てに行っても居留守を使ったり、電話をブロックしてたりします。
そう言った人に限ってタバコをバコバコ吸ってたり、酒を浴びるように飲んだり、パチンコに行ったりしている金はあるんだよなぁ。
ラーメン屋さんでラーメンを食べたあと、金を払わないで逃げたら、食い逃げで窃盗で捕まりますよね。
でも医療機関で『治療』というサービスを受けながら、お金を払わなくても罪にならないんですよね。
なんかおかしくないですか?
医療が若干の慈善事業的要素があるので、やはり『甘え』が出るんでしょうね。
サービスを受けたら金を払う、そのような基本的なことがわからない人が増えているのはなんだかなぁ、って感じますね。
今日は月に一度のジャンキーな日です。
暴力沙汰ニュースに思う
昨日の新聞でこんな記事が載っていました。
介護施設で職員が利用者に暴力をふるった、とのこと。
一般の方は
『患者という弱い存在をいじめやがって。ひどいやつだ。こんな施設潰してしまえ。』
と思う方は多いかもしれません。
私はこう言った暴力沙汰の記事が載ると、新聞報道ではあたかも、
『利用者は全く悪くない。暴力をふるった奴が全面的に悪い。』
という論調です。
でも本当にそうでしょうか?
医療介護現場にいると、利用者は聖人君子みたいな方が全てではないし、むしろ少ないくらいです。
それに医療介護業界で働いている人だって凶暴な人ばかりではありません。むしろ優しい方が多いのです。
記事を見てみると、暴力をふるったという理由が書いてありません。書いていない方が実際多いのです。
医療介護現場にいると利用者に言われもない暴言を浴びせられたり、暴力を振るわれたり、唾を吹きかけられたり、セクハラを受けたりしても我慢して仕事をしている方がたくさんいます。そんな中で耐えて耐えて耐えまくっても、耐えらなくなり手をあげてしまう方もいるかもしれません。
医者や看護師、介護士さんなどが暴力を振るわれてもあまりニュースになりませんが、暴力をふるった側になるとすぐ叩かれます。その方が『お涙ちょうだい』の日本では受けるからです。
たしかに信じられないような暴力を振るう医療介護者もいるし、当然、暴力はいけないことです。でもこう言った見方もあるんだよ、と少し心の片隅に置いていただけたら幸いです。
ブラックジャックの中で好きなシーン③
さらに続きです。
放送部のアイドル的な女性がある時、声がでなくなってしまい、ブラックジャックの診察を受けたところ声帯ポリープでした。ブラックジャックに手術を受け、しばらくの間声を出してはいけないと指導をうけていたのですが、その約束を破ってしまい更に変な声になってしまいました。
それに怒ったブラックジャックはある処置をして、『これから半年、何があっても話をしてはいけない。もしこれを破ったらもう声はでない。』と忠告。
放送部のアイドル女性は筆談などでしのぎながら、声を出さずに半年を乗り切り、ブラックジャックのもとへ。
ブラックジャックは意地悪にも『治療なんてしてないよ。』と言ったところ、放送部のアイドルは悲観して診察室から出て行ったところ、崖から落ちそうになった。
とっさに、『助けて〜。』と綺麗な美しい声が。
女性を助けたブラックジャックがその後に発した一言。
治療を受ける際には本気にならないとやはりいけない。じゃないと自分の大切なものを失ってしまうものです。
ブラックジャックの中で好きなシーン①
医者を主人公とする漫画の先駆けであり、最高傑作の漫画『ブラックジャック』
おそらく医者ものの漫画で今後、これを超える漫画は出てこないでしょう。
この漫画を読んで医者になろうと考えた方はたくさんいると思います。それだけ一つ一つの描写にインパクトがあります。
その中で私自身の心に突き刺さった場面を紹介します。
一番好きなところはこの場面です。
ブラックジャックが原因不明の病気になった恩師を助けようと手術でなんとかしようとしますが、結局亡くなり、傷心のブラックジャックに恩師がかける言葉
『人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね、、、』
今でもいろんな場面でこの言葉を思い出します。人間が生きること、死ぬこと。本来どうあるべきかを全国民は考えなくちゃいけないといつも思います。
『がたがた言わねーで、医者は病気を治せばいいんだよ。』
数年前、ある患者から言われたある言葉をきっかけに私の考え方に変化が起こりました。
その患者は糖尿病コントロールが非常に悪く、若いのに透析をしていて、足も腐りかけていて切断寸前でした。それでも好きなものを食べ続けるは、タバコは吸い続けるは、働かないは。
透析治療になると、腎臓機能の全廃で身体障害者手帳1級がとれるので、医療費は自己負担0円。ただ1年間にかかる医療費は500万円ほどかかります。それは全部公費です。
働け(か)ないので、生活保護。1ヶ月に十数万支払われます。それで好きなものを買っては食べ、病状を悪化させます。
足が腐ってきているので、せめて糖尿病のコントロールくらいしなよと話たところ、彼はこのような言葉を発しました。
『がたがた言わねーで、医者は病気を治せばいいんだよ。うるせーな。』
とにかく好きなことをする、病気になったら医者にかかる、治らなかったら医者のせいにする。
このような思考回路の人を一人でも少なくしたい、それが今の望みです。
どのように子供のころから教育していくか、がネックなんだろうな、と思います。
さてさて今日のお弁当。カロリーは500くらいかな。色合いがなかなかステキです。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症は治すものなのか?
今日、久々にタクシーに乗りました。15分くらいだったけど、よくしゃべるおじさんでした。私が医者であるとは知らずにおじさんは自分の体のことを話し始めました。
『俺は若い頃には毎日のように浴びるように飲み、タバコを1日に50本くらい吸ってたな。食べるものも不規則でラーメンとか脂っこいものを食べ続けてたんだよ。5年前くらいに検診で糖尿病と高血圧症と脂質異常症って言われたけど、不規則な生活を続けてたらさ、2年前に脳梗塞になって左半身が一時、動かなくなっちゃったんだよ。すぐに病院に行って脳梗塞だっていわれてさ。カテーテル治療ですぐに左半身が動くようになって助かったよ。それ以来、8種類薬飲んでるよ。お客さんもさ、若いからって暴飲暴食して、高血圧症とか糖尿病とかほっとくととんでもないことになるから気をつけたほうがいいよ。』
とおじさんからありがたい講話を受けてしまいました。
先天的な病気が原因で高血圧症や糖尿病や脂質異常症になるケースは多々ありますが、これら3つの生活習慣病は主にひどい食生活、ひどい生活態度からおこることがほとんどです。
高血圧症の場合、『血圧をコントロールする薬』はありますが、完治させる薬はありません。
糖尿病の場合、『血糖をコントロールする薬』はありますが、完治させる薬はありません。
脂質異常症の場合、『LDLをコントロールする薬』はありますが、完治させる薬はありません。
一度これらの病気にかかると、よほどのことがない限り、一生に近いくらい薬を飲み続けなければいけません。
薬を飲み続けたくなければ、やはり若いうちからの生活の見直しが必要です。これらの3つの生活習慣病は症状はでませんが、症状が出た頃には脳梗塞による半身麻痺、腎臓をやられて週3回1回あたり4時間の透析、心筋梗塞による急死なんてこともあります。
ところで、タクシーのおっちゃん、糖尿病の影響で目が見にくいなんて言ってたな。大丈夫かなぁ、タクシーのうんちゃんしていて。
新潟名物のへぎそば。卵とトロロをつけると最強にヘルシーっぽい。