リハドクターKのたわごと

医学医療への雑感を書き記します

家族のけがを通して考えたこと

久しぶりのブログです。 書くネタがなかったとか、書く気力がなかったとかそういったことではなくて、長文を書くだけの時間を作ることができなかったのです。 6月の初めに私の嫁さんが転んで左肘の骨折をしてギプス固定になってしまいました。不幸中の幸いで…

主治医が60歳以上だと本当に死亡率は急上昇するのか?

今週号の『週間ポスト』にセンセーショナルな記事が出た。 『主治医が60歳以上だと死亡率が急上昇する』 とのこと。 この論文はつい最近発表されたばかりだ。 この手の雑誌は買うだけ無駄なので、いつものような立ち読み(コンビニの方、申し訳ありません)…

新潟・研修医自殺の件に思う

昨年、新潟市民病院で働いていた研修医が自殺するという事件が起きました。家族が『これは労災では?』と提訴し、先日、新潟労働基準署は 『過労が原因』 ということで、労災認定をされました。 ニュースからの報告をみると、その研修医さんは自殺する前の数…

現実と矛盾のあいだで

江戸時代に農政学者・思想家として活躍された二宮尊徳という方がいました。 二宮尊徳と言えば、学校の片隅に薪割りを背負って本を読んでいる少年の銅像で有名な方です。幼名・二宮金次郎さんです。 二宮尊徳は生前、このような言葉を残しました。 『道徳を忘…

私が医者を目指した理由

くわばたりえというお笑い芸人が、『100%治せないと、病院が言ったらあかんちゃう?』とテレビで発言していた、と聞いてふと自分の昔のことを思い出したので書いてみようと思います。 私の生まれ故郷は群馬県太田市。太田市と聞いてピンと来るのは、よほど車…

『先生、母を1日でも長く生かしてください。』

『先生、母を1日でも長く生かしてください。』 と言う言葉。 多くの方は『なんて親思いの優しい子供だろう。』と思うでしょう。 意識がなく、栄養は鼻からチューブを入れて補給し、全身が拘縮して固まっている高齢の方。回復の見込みはほとんどない方に対し…

くわばたりえ発言に思う

5月8日のテレビ番組『好きか嫌いか言う時間』と言う番組で『くわばたりえ』と言うお笑い芸人?が発した言葉が炎上しているらしいです。 この時のテーマは『病院の言い分VS患者のクレーム』と言うものだったらしく、以下のようなやりとりがあったようです。 …

『マンション買いませんか?』⇨『買わねーよ。』

いまでも時々、こんな電話が病院にかかってきます。 受付のお姉さん『K先生、株式会社◯◯の✖️✖️さんという方から電話ですが、お繋ぎしましょうか?』 ◯◯なんて会社を知らない場合、たいてい例の件の電話だと思い、受付のお姉さんに、 『病気でしばらくでてこ…

認知症患者の転倒に思う

本日の朝日新聞デジタルの記事 『サ高住(サービス付き高齢者住宅)の事故、1年半で3000件超 半数以上、個室で発生』 サ高住は高齢者のための『住宅』であり、1日1回の安否確認と生活指導が義務づけられており、緊急通報システムがあれば、夜間の常駐職員が…

介護は配偶者や子供がしなければいけないものなの?

私は脳卒中や骨折、脊髄損傷などで後遺症を伴った患者さんを相手にしています。 元に近い状態に戻る方もいれば、なんらかの『障害』を残す方もいます。 そして『障害』がある方でも、『介護』が必要でない方もいれば、『介護』が必要となる方もいらっしゃい…

『ケア』の重要性

時々、意識状態が悪く、口からものを食べることができず、鼻から栄養を注入するための管が入っていて、おしっこが自分で出せなくて尿を出すための管が入っている患者さんをうけいれます。 自力では動けない 話すこともできない 食べることもできない 排泄も…

息子の病気

医者というのは因果な商売だと思う。 身内が病気になるとほとんどの場合、大丈夫だと思われる病気であっても、『最悪な場面』を考えてしまうものだ。 うちの息子、ゴールデンウィーク明けにある軽い病気で手術予定でした。その簡単な手術であってもいろいろ…

患者って友達?

4月も終盤となり、新人さんも職場に少しずつ慣れてきているようです。 私は仕事がら5箇所ほどの病院で働いているので、いろんな病院のフレッシュマンと関わります。 ここ数年、この時期になると強く感じることがあります。 私はリハビリテーション関係の仕事…

医療の『隙間』

先週の土曜日、4月15日。 西村元一先生と村上智彦先生の対談する会が豊洲の『マギーズ東京』で行われたので参加させていただきました。 この対談だけはどんなに忙しくても、どんなに予定が詰まっていても絶対に行かなくては、という思いでした。実際いく…

患者の気持ち

自分も病気をもっているため、医者であり患者でもあります。知り合いに医者がたくさんいるので、ことあるごとにいろいろアドバイスをいただいて、検査をしてもらったり薬をだしてもらったりしていて、その点で『患者』としては恵まれているかもしれません。 …

う◯ちの海を泳ぐ人

看護や介護をしていると『う◯ち』がらみのことがとても多いものです。 ある朝のこと、個室に入院していた認知症のおばあちゃんが、個室の中のトイレに入りました。 トイレに入ったのはいいものの、便器の中にう◯ちをせずに、トイレの床にう◯ちをしてしまいま…

頸髄損傷 最近の傾向

頸髄損傷とは、、、 『首の神経が切れて』と言うのはちょっと言い過ぎで、『首の神経が痛めつけられて』というのが適切かもしれません。 頭を強く打ったり、首が強い力でひねられたりすると首の骨が折れたりして、脳から繋がっている首の神経が圧迫されて痛…

『リハビリテーション』とは?⑤

『リハビリテーション』を行う上で、やはり『リハビリテーション』の専門の医者は必要と思います。 自分自身が『リハビリテーション医』なので、それを否定してしまうと、元も子もないのですが。 リハビリテーション医にとって何が一番必要なのか?とある先…

『リハビリテーション』とは?④

『リハビリテーション』ってやってもらうものなのでしょうか? よく病院とかで、患者と看護師の間でこんな会話が繰り広げられます。 患者 『看護師さん、車椅子でトイレまで連れてって下さい。』 看護師 『○○さんはもう歩いてトイレに行けるでしょ。一緒につ…

『リハビリテーション』とは?③

急性期病院で病状が落ち着いたものの、いろんな障害が残った場合、こう言われることが多いと思います。 『急性期での治療は終わりました。あとはリハビリ次第です。でもこの病院ではリハビリはできないので、リハビリできる病院に転院してください。』 この…

『リハビリテーション』とは?②

『リハビリテーション』の語源って知っていますか? ラテン語でre(再び)+habilis(適した)が語源で、『再び適した状態になること』とか『本来あるべき状態への回復』という意味です。 病気や怪我などで動けない、食べられない、話せない、いろいろな判断…

『リハビリテーション』とは?①

皆さんは『リハビリテーション』という言葉を聞いてどのような想像をしますか? 痛いながらも我慢して歩く練習をしたりすること? 動かない手を無理やり動かして拘縮させないようにすること? 体に電気や超音波を当てること? 言葉が話せない人に対して言葉…

『待てない』方々

今日の新聞でヤマト運輸が 『即日配送撤退も』 という記事が掲載されていました。 ネット通販が盛んになり、運送会社の取り扱い数が爆発的に増えています。amazonに至ってはamazon primeで即日配送サービスを行っていて、これによる負担は運送会社にはキツイ…

脳卒中後の職業復帰

脳卒中にかかると多かれ少なかれなんらかの後遺症を残します。ごくごく軽い手足の動かなさにとどまる方もいれば、ほぼ寝たきりまで。 ごくごく軽い後遺症であればほとんどの症例で日常生活や仕事に戻ることは可能ですが、寝たきりの方はほぼ日常生活や仕事に…

起業家、個人事業主ほど医療介護の備えは必要^_^

何度も書いていますが、私は脳梗塞や脳出血などの脳卒中後のリハビリテーションに関する仕事をしています。 患者さんの中で結構多いのは『自営』で仕事をしている方です。 『自営』と言っても羽振りのいい自営の方もいれば、カツカツでやっている方もいます…

体のメインテナンスはやはり必要だと思います^ ^

4月の初旬、勤務先で定期検診が義務付けられているため、本日ドッグに行ってきました。 いろんなコースがありますが、私は半日のコース。血液検査、レントゲン検査、エコー検査、視力や聴力検査、呼吸機能検査、そして胃の内視鏡検査などを行います。 1年1回…

ぐるぐる ぐるぐる グルコサミンは効果的なのか?

BSテレビをかけていると健康食品などの通信販売のCMをたくさんやってますね。 職業がらよくこんなことを聞かれます。 『グルコサミンとかコンドロイチンとかヒアルロン酸のサプリメントって効果的なんですか?』 そんな時はこう答えるようにしています。 『…

たかが転倒、されど転倒。転倒はおそろしい。

年齢を重ねると人は転びやすくなります。 以前からいわれていることですが、転倒して骨折したり、頭を強く打って重症になる高齢者は増えています。 今回は骨折に関して、少しお話ししたいと思います。 高齢者が転倒して骨折しやすい部位ってどこだかわかりま…

食べること、食べられることは素晴らしい②

昨日は『摂食嚥下障害』の大まかなことに関して書かせていただきました。 今回は『どのような基準で口から食べていただくか』に関して書こうかなと思います。 摂食嚥下障害に関しては3つのパターンがあるとお話ししました。 ①意識状態が悪くて、なかなか反応…

食べること、食べられることは素晴らしい①

病気やケガなどを機に食事がとれなくなる方がいらっしゃいます。 そのような状態を『摂食嚥下障害』と言います。 この摂食嚥下障害は大きく分けて3つのパターンに分かれます。 ① 意識状態が非常に悪くて、呼んでも刺激を与えても反応がないパターンで口も開…