リハビリテーション医ってなに? パート1
誰かさん:『先生のご専門はなんですか?』
わたくし:『リハビリテーションですよ。』
誰かさん:『じゃあ、患者さんをモミモミしたり電気をかけたりするんですか?』
わたくし:『そういうことをするわけではないんですけど。』
誰かさん:『それじゃあ、どんなことをされているのですか?』
わたくし:『・・・・・・・』
他の人から自分の仕事を聞かれるとき、こんな会話が繰り広げられます。
じゃあ、リハビリテーション医って何者?
一言で言うと・・・・・・・『究極のアウトソーシング屋』です。
患者さんが来院します。リハビリテーション医がやることは、患者さんを診察し、全身状態をチェックした上で、この患者さんが数週間後にはこうなって、数ヶ月後にはこうなると予想し、訓練処方を理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などに出して、指示を出していきます。よくいえば、その患者さんに対しての全体の司令塔でもあるし、悪く言えば『丸投げ』です。
リハビリテーションに携わる医者が最低しなくてはいけないことは、その患者さんの安全管理です。血圧の高い人に急激に血圧が高くなるような運動処方を出すのはナンセンスです。どこまでのバイタルで運動させてよいかの判断は当然しなくてはいけません。
ですから一般の医師に比べて、手術をしたり点滴治療をすることはあまりありません。患者さんと直接に触れ合いながら訓練にあたっているのは、理学療法士や作業療法士などの訓練士です。リハビリテーション医はあまり直接手をだしません。野球であれば監督であり、オーケストラでいえば指揮者です。
世の中にはたくさんのリハビリテーション医がいます。最低限の仕事もできないリハビリテーション医も多かったりします。
監督がヘボな野球チームは確実に弱いです(例外もありますが)。指揮者が下手なオーケストラはまず演奏になりません。三流と一流の間の違いは何か?
続きはまた。