日本のリハビリテーション病棟の現実
今、日本ではリハビリテーションを入院で行う場合、『回復期リハビリテーション病棟』というところに入院するのがメジャーである。
脳卒中や下肢メインの骨折、肺炎や手術などにて筋力低下が著明な方が入院対象になります。
日本には数万床の回復期リハビリテーションのための病床があり、群馬県にも2000床くらいの回復期リハビリテーションのための病床があります。うちの病院でも60床の回復期リハビリテーション病棟があります。
群馬県内にはおそらく30近くの病院が回復期リハビリテーション病棟を持っていると思われます。群馬県内のリハビリテーション専門医は37人。そのうち回復期リハビリテーション病棟に関わっているリハビリテーション専門医は5人でした。そしてその5人のうちに『きちんとした』リハビリテーションの教育を受けてきたリハビリテーション専門医は2人でした。
要するに群馬県内では少なからずリハビリテーションと関わって来た医者で回復期リハビリテーションに関与しているのは30病院中5つだけなのである。おそらく『まともな』リハビリテーション処方箋をだせるのは2.3人だろうと思います。
残りの25以上の回復期リハビリテーション病棟を持つ病院はどうしているの?
みなさんはどう考えるでしょうか?
答えは内科や整形外科の先生が片手間に適当な処方箋をだして、あとは理学療法士や作業療法士に丸投げな状態なのです。群馬県に限らず、全国各地でリハビリテーションを専門としない他科の先生が片手間で行なっているのが現状です。
整形外科の先生に脳梗塞を治療してくださいと言われてもさすがにできないですよね?
眼科の先生に胃がんの手術してくれ、と言われてもできないですよね?
でもなぜか、リハビリテーションは他の科の先生でもできちゃうって思われているから、なんだかなぁって思います。だからまともなリハビリテーション病棟は少ないんだろうな、と思っています。
そもそも他科の先生でもリハビリテーション病棟は運営できちゃうって考えられているから、こんなにリハビリテーション病棟が多くなり、質の劣化が著しいんでしょうね。