後医は良医?
私は自分が医者として『絶対にしない』と決めていることが一つあります。
私は現在、急性期病院での治療を終え、リハビリテーション目的で紹介されてくる患者さんを診ていますが、その急性期で治療された先生の治療を絶対に批判して、患者さんの前では言わないことです。
時々、『なんでこんな治療したのかな?』とか『これちょっとこうした方がいいんじゃないか?』とか『もう少ししっかり観察してよ。』とか思うことはありますが、急性期には急性期のギリギリの決断があったと思うので、患者さんの前では絶対に言わない。違う方法だったらもっとよかったのか?と言われればそうとも限らないのが人間のからだの不思議なところだからです。
脳出血で左手の麻痺がひどく、うちの病院で数ヶ月訓練しても左手が実用的に動くことなく後遺症を残した患者さんがいました。その患者さんはうちの病院での訓練が終わったあと、『せっこつや』に行き、こう言われたそうです。
『僕のところ(せっこつや)に発症して4日以内に来れば、この左手は完全に元に戻ったのに。』
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後からでは何とでも言えます。脳出血4日目なんて、まだベッド上で自立して動けないレベルなんですが。
急性期治療をやっている先生の多くは真摯な気持ちで、急な選択の元で治療しています。後から診る医者のほうが絶対に冷静にゆっくりと治療できるので、良く見えるのは当たり前なのです。