リハドクターKのたわごと

医学医療への雑感を書き記します

医者の役割分担に関しての考察

私には二人の息子がいますが、顔は似ていますが性格は全く違うし、勉強や運動に関しての考え方は全く異なります。

 

長男はとにかくのんびりとして楽観主義。小さなことはあまり気にしません。学校の勉強はできませんが、『ある分野』に関しては、ものすごい能力を発揮します。『ある分野』に関しては150点くらいですが、ほかのことに関しては限りなく0点に近いのです。

 

一方次男はとにかく細かい。先の先まで読んで前もって何かをしないと気がすまない神経質なタイプです。勉強や運動に関しては卒なくこなし、どれも人並み以上にはできますが、『特別にこれができる』というのはありません。60点以下はありませんが、150点はないのです。

 

医者の世界でも同じようなことがあります。ある分野に関しては超スペシャリストですが、ほかの面に関しては何にもできない方もいるし、かたやスペシャルなものは持ち合わせてないけど、広い範囲の仕事を卒なくこなすタイプ。

 

スペシャリスト』と『ジェネラリスト』

 

社会受けしてテレビやマスコミに出られるのは『スペシャリスト』のほうが圧倒的に多いし、収入も『スペシャリスト』のほうが高いでしょう。ですから医者としては『スペシャリスト』を目指す方が多いし、大学志向なのもこのような理由があるのでしょう。

 

だけど医者が『スペシャリスト』ばかりだったらどうなるでしょうか?

『俺はこれしかやらないから。』となって患者のたらい回しにつながります。

 

世の医療は『ジェネラリスト』の存在がなければうまくまわりません。自力でできるところはやるし、これは『スペシャリスト』にまかせたほうがいいと判断した場合には、速やかに『スペシャリスト』にお願いして治療してもらう。

 

スペシャリスト』が野球で言えば四番バッターなら、『ジェネラリスト』は野球で言えば二番とか七番あたりになると思います。ただ四番ばかりいても強いとは限らないし、二番とか七番が活躍しているチームって本当に強いチームなんですよね。

 

『ジェネラリスト』は地味ですが、地味なりにいなくてはいけない存在なのです。

 

私は『スペシャリスト』なのか『ジェネラリスト』なのかはわかりません。ただ周りの力をうまく使っていく力は少しはあるかもしれないので、八番バッターくらいの気持ちで頑張って行きたいと思います。

 

 

それにしてもうちの息子たち、将来どうなるんだろう?不安は尽きませんが、『スペシャリスト』だろうが『ジェネラリスト』だろうが、世の中の役に立つ人間になって欲しいものです。