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リハドクターKのたわごと

医学医療への雑感を書き記します

脳卒中後の職業復帰

脳卒中にかかると多かれ少なかれなんらかの後遺症を残します。ごくごく軽い手足の動かなさにとどまる方もいれば、ほぼ寝たきりまで。

 

ごくごく軽い後遺症であればほとんどの症例で日常生活や仕事に戻ることは可能ですが、寝たきりの方はほぼ日常生活や仕事に戻ることは不可能です。

 

最近では40代や50代の働き盛りの方が脳卒中になってしまう症例が増えました。比較的に若いので、どんなに手足の動かなさ(麻痺といいます)が強くても多くの場合、自分で起き上がれたり、歩けたりすることが多く、日常生活もほぼ自立、もしくは一部介助で送ることはできるパターンは多いのですが、問題となるのが若いが故の『今後の社会参加』、もっと具体的に言えば『仕事の復帰』です。

 

仕事の復帰の面から言えば、肉体労働をされている方は麻痺が強い場合、復帰することは困難です。

また事務的な仕事をされている方が脳卒中の後遺症として、高次脳機能障害と言われる『記憶障害』や『注意力の欠如』、『言語障害』、『情報処理能力の低下』と言う状態になってしまった場合、文書作成や問題解決ができないので困難となります。

 

今でも時々、復職支援のリハビリテーションをしていますが、なかなか思ったようにいかないのが現状です。一番の理由は企業のニーズと本人の能力に乖離が生じてしまうからです。特に経済的に厳しい企業では言い方は悪いのですが、体が動かなかったり、文書が作れない方はあまり役にはたたないからです。そのような方に同じ給料を出すのは厳しいので、病気後に職場に戻っても、なんらかの理由をつけて『自主退職』にもっていくケースが多いのです。

 

普通の企業であれば、脳卒中になった後に病気休暇を取り、その後、傷病手当金(給料の6割)をもらいながら企業所属を1年半保証してくれます。その間にその企業に再度戻るか、退職するかを決めていくわけですが、仮に戻っても『自主退職』になる方は多いです。企業としても『不当な解雇』はできないので、『自主退職』という方向にもっていくのです。

 

企業規模が大きい場合、その患者ができる仕事をあてがってくれる場合もありますが、少数です。日本の場合、中小企業が9割以上なので理想通りにいかないのが現状です。

 

今後、復職困難な脳卒中患者さんは増えるでしょう。国の積極的な支援を期待したいところですが、まだまだ先は長いかなと言った感じです。

 

ただ復職支援のリハビリテーションをしていて、思うことはあり、どんなに麻痺が重くても高次脳機能障害があっても元の職場に戻れて仕事を変えてでも受け入れて下さる方もいれば、どんなに麻痺が軽くて高次脳機能障害がない方でも復職を断られる方がいらっしゃることです。おそらく病前のその患者さんの『人徳』によるものなのかなぁと思います。

 

苦しい状況にあるときに『助けてあげたい』と思われるためには、普段の行いがものをいうのかもしれないと感じる瞬間です。

 

 

昨日食べたリンガーハットのちゃんぽんと餃子は美味しかったなぁ。

 

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