『リハビリテーション』とは?③
急性期病院で病状が落ち着いたものの、いろんな障害が残った場合、こう言われることが多いと思います。
『急性期での治療は終わりました。あとはリハビリ次第です。でもこの病院ではリハビリはできないので、リハビリできる病院に転院してください。』
この言葉にも違和感を感じます。
リハビリテーションは『訓練』や『練習』や『療法』だけのことではないことはすでに説明しました。
急性期の治療の段階からすでに『リハビリテーション』は始まっているのです。動けない時期から今後の生活を見据えた上での『訓練』や『ケア』が必要です。例えば関節が硬くならないように可動域訓練をするのはまさに急性期にいるうちにこそ必要です。そして『誤嚥性肺炎』を防ぐためには口の中を綺麗に保つ『口腔ケア』などか必要です。そして必要以上に『安静』にしすぎないことも『リハビリテーション』なのです。
急性期病院にこそ、リハビリテーションに理解のある医者、看護師、療法士などが必要なのです。
『あとはリハビリテーション次第です。』ではいけないんです。
『われわれとしてはできうるリハビリテーションをしてきましたが、さらに今後を考えた上でのリハビリテーションが必要です。』
と言えるような世の中になれば、明らかに日本の医療は変わるでしょう。『リハビリテーション』とは病気を診るものではなく、人間を診るものであり、『その先』を考えるものであると思うのです。