『ケア』の重要性
時々、意識状態が悪く、口からものを食べることができず、鼻から栄養を注入するための管が入っていて、おしっこが自分で出せなくて尿を出すための管が入っている患者さんをうけいれます。
自力では動けない
話すこともできない
食べることもできない
排泄も自力でできない
そんな患者さんも実際多く診ます。
急性期病院で集中的加療を行い、急場をしのいで『リハビリテーション』目的で転院してくるのですが、そのような患者さんに対して、最初に見るところはどこか?というと、、、
『口のなか』
です。
だいたいそのような患者さんの口の中はからからに乾燥していて、口の中に乾いた痰の塊がたまっていて、口の中が臭いのです。
だいたいそのような患者さんが8割くらいですね。
もう慣れたけど、『またか』と言った気持ちは拭えない感じ。
たまに残りの2割くらいの確率で口の中が湿潤でゴミはたまってなくて、口臭もしない方もいます。そのような患者さんを見るとすごく嬉しくなります。
偏見かもしれませんが、このように転院時に口の中が綺麗な方ほどその後の経過が良くて、元気になる方が多いような気がします。
このように口の中を清潔に保つことを広い意味で『口腔ケア』といいます。この『口腔ケア』がしっかりしている病院は本当にいい病院だと断言します。
治療は『キュア』と言いますが、『キュア』さえすれば、『ケア』なんて必要ないんだと考えている病院はたくさんあります。『キュア』は確かに重要ですが、それ以上に『ケア』が本当に重要だと思います。
口の中の他に、
ちゃんとお尻周りが清潔になっているか?
尿道口に垢がたまってないか?
褥瘡はないか?
指の間に垢がたまってないか?
患者全体をどうみていくか、このような『ケア』がすべての病院で当たり前にしっかりできるような医療体制であることを切に望んでいます。
今日の夕飯、スープスパゲティ。
おいしいなぁ。