リハドクターKのたわごと

医学医療への雑感を書き記します

平均寿命記録更新に思うこと

最近の調査で日本人の平均寿命がさらに記録更新したとのこと。

 

男性の平均寿命が80.75歳、女性の平均寿命が86.99歳とのこと。

 

私はいくつかの病院で働いていて、その中でいわゆる『療養病棟』と呼ばれるところでも患者さんを診ています。何年間も意識がなく、意思疎通ができず、栄養は経管栄養で補給され、自力で体を動かせないので、全ての関節が拘縮し、床ずれがたくさんある患者さんもたくさん診ています。

 

日本人の平均寿命を考えると決まって彼らの顔が頭に浮かびます。おそらくこう言った方々は日本に何万人、何十万人といることでしょう。

 

『長生きしてよかった、よかった』と手放しで喜べるか?と言ったら、やはり違和感があります。死生観に関してはナイーブな問題なので発言は控えたいと思いますが、人間の生き死に関しては本気でいろいろと議論していかなくてはいけないと思います。

 

最近では若いうちから重症な病気にかかる人が多く、いわゆる『健康寿命』は低下しているのではないか?と思います。そしていわゆる『寝たきり』の期間は年々増加していると思います。

 

なかなか健康なうちから自分はどうやって生きていきたいか、どのように死んでいきたいかまで考えられないと思いますが、だれでもない自分の人生なのだから、それなりの年齢になったら考えていく必要があるのではないか?と考えています。