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リハドクターKのたわごと

医学医療への雑感を書き記します

風邪に抗菌剤使用は控えなさいという勧告がでて嬉しい‼︎

ようやく厚生労働省が『単なる風邪や下痢に抗菌剤を安易に処方するのは控えるべき』という勧告を出してくれて嬉しい限りです‼︎

 

抗菌剤って知ってますか?

 

昔は『抗生物質』と言っていました。『細菌』をやっつけるために開発されている薬です。

 

この『抗菌剤』、ちょっとした風邪でもよく処方されます。ただ、風邪って多くは『ウイルス』という超超ミクロの物体で『抗菌剤』はこのウイルスはやっつけられません。

 

じゃあ、なんで医者は『抗菌剤』をウイルス感染に処方するのかというと、もしかしたらこの『風邪』と思われているものが実は『細菌感染』かもしれないため予防的に出していることが多いのです。

 

少し話がそれますが、私の若かりしころのことで忘れられない出来事をお話します。

 

医者になって2年目になったばかりのころ。茨城県のとある病院に勤務することになりました。今では考えられないかもしれませんが、まだ医者になって1年ちょいしか経っていない医者でも『一人で』全科当直、救急対応をしなくてはいけませんでした。

 

今では医者になって2.3年は必ず指導医と一緒に当直をしなくてはいけませんが、当時は今ほど恵まれておらず、精神的にかなり辛い仕事でした。

 

ある晩、一人の若い30代くらいのお姉さんが鼻水と微熱で私が当直していた夜に受診しました。胸部、腹部など聴診、触診などで問題なく、夜中なので呼び出しでレントゲンや検査などを呼び出しする必要もないな、と判断し、風邪と診断し、解熱鎮痛剤のみ処方して、

 

『たくさん水分をとってゆっくり休んでください。薬は1日分しか出せないので、また明日昼間に内科を受診してください。』

 

と言って帰しました。

 

次の日、当直明けで病棟で仕事をしていたら、内科の先生から私に電話がありました。

 

『大塚先生、昨日の夜の患者さんなんだけど、確かに風邪なんだけど、こういった場合には抗菌剤も一緒に処方してもらわないと困るよ。なんかあった時に訴訟になったりするよ。』

 

この言葉はいまだに忘れられない。

 

結局過剰処方しているのは、訴訟対策とか患者の薬をたくさんもらいたい症候群の影響が大きいのかなぁって、まだ若かりし自分は初めてそう思いました。

 

ただね、抗菌剤をむやみやたらにだすと、細菌も自分を守ろうと命がけだから、抗菌剤に対して防御機構をグレードアップしてきます。そうなると効く抗菌剤がどんどん減ってきちゃうんです。

 

でも今回ようやく、厚生労働省が『風邪に抗菌剤をむやみに出しちゃダメよ。』と指針を出してくれたので、ぜひ全国民にこの事実を知ってもらいたいです。

 

再び言います。『ウイルスは抗菌剤ではやっつけられません。』

 

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