口の中は全身を診る上での本物の『入口』である
私は普段、脳卒中や骨折による後遺症を来した患者さんを診ることが多く、このような方々がこれからどのように暮らし、どのように生きていくかをお互いに考えていく、そのためのお手伝いをする仕事をしています。
脳卒中や骨折の患者さんを診ていて思うこと。それは高血圧症や糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの基礎疾患、いわゆる生活習慣病と言われるものを持つ方が圧倒的に多いのです。その4つの基礎疾患のうち1つ以上持つ人はおそらく9割はいますし、4つ全部もっているつわもの?も数%はいると思います。
そして患者さんを診る時に初めに診るところは『口の中』です。
結構多くの方がこのような口の中を呈しています。
口の中が汚い、臭い。虫歯だらけ、歯周病がひどく歯茎がどす黒いなどなど。
たいがい重症な脳疾患や内臓疾患を来した患者さんの大多数が口の中、歯などに大きな異常をきたしていることは間違いないと考えていいかもしれません。
虫歯や歯周病があるから、脳疾患や重症な内臓疾患になるのか?
脳疾患や重症な内臓疾患があるから、虫歯や歯周病になるのか?
鶏と卵の関係のようですが、おそらく両方ではないか?と考えています。
まず口の中を気にしない方は基本的に症状が出ない自分の病気を気にするはずがありません。口の中の綺麗さとか匂いとかを気にする方は自分の体に敏感なので、重症化する前にいろいろ手を打つので比較的健康かもしれません。
口の中がめちゃくちゃ綺麗な脳疾患の患者さんはほとんど見ないと言っても過言じゃないかもしれません。
もう一つ、口の中のある部分は体の調子をみるバロメーターになります。
その場所とは『舌』です。
舌が浮腫んでいるか、乾いているか?
舌の上の舌苔(舌の表面の白い部分)がどうなっているか?
舌全体が汚くないか?
口内炎はないか?
舌の裏側の血管が怒張してないか?
それだけでも体の調子や元気さがあらかたわかることがあります。漢方の世界では昔からなされていました。
口の中には全身に関わる大きな情報が隠されています。それを管理するだけで大きな病気は少なからず減ってくるのだろうと思います。
歯医者の肩入れをするわけではないのですが、しっかりとした歯医者に診てもらい口の中をコントロールしてもらう必要があります。
ただ一つだけ注意。歯医者も時々悪徳な人がいていつまでもいつまでも頻繁に通院させる人がいるので気をつけてくださいね。